Firefoxを諦めない

ここ数年の間で、Firefoxをサポート対象外とするサービスが相次いでいる。2022年3月にPayPay銀行(ジャパンネット銀行)、同年5月に「NHKプラス」、同年7月にAppleのビジネスサイト、2023年7月には業種共通業務プロセスとして「共P-04」「共P-05」を有する業務管理システム「Edge Tracker(エッジトラッカー)がサポート終了を発表した他、動画配信サービス「Abema TV」でも「推奨環境外」とするメッセージが表示されている事が確認された。

Google Chrome、Microsoft Edgeといったビックブラウザーの他にも、Opera、Vivaldi、Brave、Sidekick等もコードベースにChromiumを採用しており、そのフォーク元となるWebKitは iOSのデフォルトブラウザー「Safari」、プラバシーブラウザー「DuckDuckGo」のコードベースとなる等、双方をトータルすると相当のシェアになるであろう。そのような現状の中で、特に営利目的のサイトがマイノリティとなりつつあるGeckoをテスト環境から外すという事は、至極自然な流れと言えるのかも知れない。

一方では、限りなくパブリックに近い立場でプライバシー重視を標榜するMozillaの姿勢には非常に共感するし、数多のトラッカーを排除するプライベートブラウンジングや、モバイルデバイスに向けたFirefox Focusは特に秀逸といえる。Firefox Quantum(Firefox 57)以降では、パフォーマンスも決して劣るものではなく、テストケースによってはFirefoxがChromium系を凌駕するケースもある。

Google Chrome登場以前からのコアなユーザーも含めて、まだまだ支持する層も多いであろう。また、もう一花咲かせて欲しいと願うばかりである。